世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【諏訪市】千鹿頭神社と蓼宮神社

今回は長野県のマイナー観光地ということで、2つの神社を紹介していきます。

諏訪というと花火大会のせいで諏訪湖のイメージが強いため、諏訪大社は湖のすぐ近くにありそうな気がするかもしれません。しかし、上社・下社ともに諏訪湖からは割と距離があります。特に上社はとても湖なんて見えないような場所にあり、諏訪湖から諏訪大社上社を目指して移動するとけっこう離れていることに驚くでしょう。

千鹿頭神社(ちかとう-)と蓼宮神社(たでみや-)は、諏訪湖の西岸から上社へ向かって移動している途中で見かけた村社クラスの神社で、もちろん両社とも諏訪大社の系列に属します。

 

目次

 

千鹿頭神社

千鹿頭(ちかとう)という変わった名前ですが、この近辺では同名の神社が幾つか存在し、私の知る範囲では松本市茅野市にもあります。あと、茅野市の御座石神社にはヌナカワ(タケミナカタの母)が鹿に乗って諏訪に入ったという伝説もあったり、同市には御射鹿池(みしゃかいけ)という池があったりします。理由は解りませんが、諏訪大社と鹿は何かと関係が深いみたいです。

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石の鳥居をくぐると門のようなものが。たぶん昔は境内の周囲が塀や垣根で囲まれていたのでしょう。

しかし囲いがなくなってしまっているので、この門は用をなさない代物に成り下がっています。一種のトマソンです。カテゴリ分けするなら、“無用門”あるいは“純粋門”、といったところでしょうか。

 

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境内の全景。拝殿と本殿の四囲には、御柱が立っています。太くて立派な柱で、上社の御柱にも見劣りしません。

 

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拝殿。銅葺きの流造りで、向拝付き。

 

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見えづらいですが本殿です。銅葺きで千鳥破風のついた流造りです。

 

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鬼瓦には諏訪大社の紋、梶の葉があります。梁や蟇股のあたりもよく観察したかったのですが、残念ながら塀に遮られて見えず。

消化不良の感が否めないですが、これでは解説のしようが無いのでどうしようもありません...

 

以上、千鹿頭神社でした。

 

蓼宮神社

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境内の入口にはこんな石碑が。“秋葉大権現”...なぜこんな形の石を立てようと思った...?

 

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境内は山の斜面にあり、数十段の階段を上った先に拝殿と本殿があります。

 

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狛犬。角が生えている?

 

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拝殿。当然のごとく二軒になっていて、唐破風の向拝が格好良いです。波のような模様をあしらった梁も洒落ていると思います。

 

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見下ろすと拝殿に通じる回廊みたいなものがありました。とはいえ入って良さそうな雰囲気でなかった上、回廊の先は民家のようなので、侵入は自重しました。

 

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真横からみた拝殿。良く見ると、変わった構造をしています。

中央部分だけ棟が高くなっていて、正面側は唐破風として伸ばしているようです。

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別アングル。

平入で唐破風が付いた社殿は別に珍しくないですが、唐破風の所だけ別の棟になっているのは見たことがないです。この拝殿、見れば見るほど不思議な造りをしている...

 

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拝殿と山の斜面に挟まれた狭い空間にあるのが本殿。銅葺きの流造り。先述の千鹿頭神社みたいに塀に遮られてよく見えず。

本殿をよく観察できなかったのは少々不満でしたが、面白い構造をした拝殿を楽しめたので私は満足です。

 

習焼神社のときもそうでしたが、諏訪大社の系統の神社は本殿が小さくて拝殿が立派に造られている傾向があると思います。諏訪大社の4社は上社前宮を除いていずれも本殿が無いので、その傘下といった立場の神社は謙遜して本殿を控えめに造っているのではないでしょうか。この説は素人の私見なので、あくまでも参考程度に留めておいて下さい。

 

以上、蓼宮神社でした。

(訪問日2019/04/13)