世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【諏訪市】習焼神社 ~小さな境内に見応えある社殿~

今回は長野県のマイナー観光地ということで、習焼神社(ならやき-)について。

 

諏訪地域の寺社と言えばもちろん一宮の諏訪大社ですが、その影響か諏訪地域の一帯は村社クラスの神社でも立派なものが多いです。習焼神社も諏訪大社の摂社に属する神社の一つで、ほとんど知名度は無いですが、寺社建築好きならばうなってしまうような素晴らしい社殿を楽しむことができます。

観光地と言ってしまって良いのか解らないようなマイナーな神社は、休日の昼間でも人気がないので社殿をじっくりと見られるのが良いですね。

 習焼神社へのアクセスは上諏訪駅または茅野駅が最寄りで、徒歩1時間程度です。

駐車場は境内に10台分程度あります。

 

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境内。左が拝殿、右が合併殿(ごうへいでん)です。諏訪大社の系統なので、境内の四囲には御柱が立てられています。

 

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まずは合併殿から見ていきましょう。こちらは銅葺きの流造り。垂木を見ても、切妻であることが解ります。本殿ではないので装飾も少なく、質素な印象です。

 

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しかし裏側に回ってみると、庇(ひさし)のようなものが。

これは、向拝...? 案内板では“流造り”と解説されていたのですが、これが向拝なら“両流造り”と言うべきではないでしょうか?

神社建築において、本殿以外の社殿はわりと型にとらわれない自由な造りになっているものが多々見受けられますが、両流造りの社殿をこのような場所で見るとは思ってもいなかったので、かなり驚きました。

 

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気を取り直して、次は拝殿です。ここの拝殿は“幣拝殿”と言うようです。こちらは装飾が多く、派手な印象。屋根は銅葺き。平入の入母屋で、向拝は唐破風。

 

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別アングル。

垂木はもちろん二重(二軒)ですが、向拝の垂木も二重になっており、二軒が2つ連なっているため四重に見えます。垂木の先端は屋根の銅と同じ緑青(ろくしょう)で、統一感があります。

この社殿の垂木、すごく格好良いと思うのは私だけでしょうか?

 

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本殿。合併殿と拝殿がすばらしかったので本殿はどうでもよくなってしまいそうですが、ちゃんと見ていきましょう。屋根は銅葺き。一間社流造りです。

 

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真横から見た写真。蟇股は簡易的な造りですが組物の構造が複雑で、見ていて面白いです。海老虹梁は浮き出た木目が美しいです。大きく反っていて、“海老”という名前で呼ばれる理由もなんとなく解ります。

 

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こちらは舞屋(まいや)と言うようです。シャッターとガラス窓が少々残念ですが、蟇股や極太の虹梁があります。拝殿とちがって垂木は二重にはなっていません。

 

以上の4件が習焼神社の社殿になります。境内は小さいですが、よく見てみると社殿はどれも立派で、見応えがあります。こういった場所との意外な出会いがマイナー観光地や寺社巡りの醍醐味だと思うのです。

 

以上、習焼神社でした。

(訪問日2019/04/13)