世をひねる

甲信地方(山梨県と長野県)の寺院・神社建築を語る雑記。

【富岡市】貫前神社 ~上野国一宮は寺社マニア必見の“下り宮”~

今回は群馬県の観光名所ということで、貫前神社(ぬきさき-)について。

 

寺社というものは、たいていは山を背負い、上から見下ろせるような立地に造られるのがセオリーです。その理由はいろいろ考えられますが、同じ建物でもやはり下から見上げるほうが威厳が感じられるからというのが1つの要因でしょう。

しかし、貫前神社はセオリーに真っ向から反し、階段を下った先に社殿がある“下り宮”となっているのです。

そしてそんな珍妙な造りをしていながら上野国(こうづけのくに。上州、上毛とも言う)の一宮であり、群馬県で最も格の高い神社とされています。

 貫前神社へのアクセスは、上州一ノ宮駅が最寄りです。

車で行くなら、国道254号線のほぼ道沿いです。駐車場は境内の途中にあり、目立つ案内板が立っているので迷うことはないでしょう。無料で使える駐車場は20台分くらいでしょうか。

 

道路にかかる大鳥居をくぐって坂を登ると、門の前に駐車場がありました。

一宮のだけあって、平日の朝でも先客の車が何台かとまっており、そこそこの人出です。

 

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門。たぶんこの神社の境内でいちばん高い場所にある建物です。

両脇の灯籠は江戸時代のもので、市指定文化財だそうです。

 

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門をくぐると、その先は下り階段。階段を下った先にあるのは楼門です。

 

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楼門の先には極彩色の本殿があります。屋根は檜皮葺き(ひわだぶき)。

富岡製糸場が近いのもあってか、近代では養蚕の神としても崇められたようです。

 

楼門より先は立ち入り禁止ではないっぽいですが、ちょうど神官の方が出入りしていて、部外者が気安く入れなさそうな雰囲気だったので、以降は本殿の囲いの外からの写真になります。

 

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斜め前から見た本殿。切妻の妻側が正面を向く妻入り(つまいり)で、破風(はふ)をよく見ると四角い小窓があります。

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破風の部分を拡大した写真。正方形の窓が確認できます。この窓は雷神小窓と呼ばれるそうです。

また、こう見えて実は2階立てで、「貫前造り」という希少な建築様式なのだとか。

軒下の彫刻が目を引きますが、貫前神社に来訪の際はぜひ破風と雷神小窓をじっくり観察していって下さい!

 

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後ろ側から見た社殿。さすがに窓はありませんが、破風が立派なのはこちら側も同様です。

右側に映り込んでいる木はイチョウで、おそらく火災除けのおまじないでしょう。

 

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最後に、帰り道の写真を。この写真だけ見ると、門の先に社殿がありそうな気がしなくもない?

なんとなく「帰るまでが登山」という言葉を思い出しました。

ちなみに、貫前神社の境内には“蛙の木”という木があり、それにあやかった「無事かえる」という金ピカの蛙の置物(大きさはトノサマガエルくらい)が売られています。参拝の記念におひとついかがでしょうか...? 私は、アマガエルでさえ触れないチキン野郎なので、購入を断念しました。

 

以上、貫前神社でした。

(訪問日2019/03/01)